いわしの頭が柊と一緒に玄関口に挿してあったり、吊るされたりしてあるのを、見たことがありませんか?
あの「柊鰯」(ひいらぎいわし)には、どんな意味があるのでしょう?
節分との関係はどうなっているのでしょう?
いつからいつまで飾っておくものなのでしょう?
節分に柊鰯を飾るのはどうして?
元々は、平安時代に注連縄に柊に魚(ボラ)の頭を挿す風習があったということなので、かれこれ1000年以上続いているんですね。
現代では、焼いたイワシの頭をヒイラギの枝と一緒に門口に挿したり、吊るしておくのが一般的でしょうか。
焼いたイワシはかなり匂うので、この悪臭が邪悪な鬼や病魔を追い払ってくれると言われています。もし近寄って来ても、柊の葉の棘で目をつつかれるというのですね。なるほど。。。
イワシの頭は、鰓(エラ)から目にヒイラギの枝を突き刺すのが正式だそうで、これはこの「近づいたら目をつつかれる」というのにつながるわけです。
なぜ平安時代はボラだったのがイワシになったのかはナゾですが、イワシの音が「弱し」と「卑し」につながる(漢字では「鰯」ですね)、しかも「臭い」からだという説があります。
節分は立春の前日です。古くは立春が一年の始めでしたから、節分に「邪気」を祓って、新しい年を迎えようということなのです。
柊鰯はいつからいつまで飾る?はずしたらどうする?
柊鰯を「飾る」と言って良いのかどうかわかりませんが、飾っておく期間は地方によって様々です。
*節分に飾って、立春にはずす(ひと晩だけ)。
*節分に飾って、「雨水」(2月19日)にはずす。
*小正月(1月15日)に飾って、立春(2月4日)にはずす。
*節分に飾って、一年中飾っておく(一年中魔除けとして活躍してくれる)。
では、はずした「柊鰯」はどうしたら良いのでしょうか?
地方によっては、神社でお焚き上げをしてくれるところがあるようですが、まれだと思います。
はずしたら塩で清めて、白い紙に包んで捨てるのが一番良いようです。
魔除けとして飾っておいたものですから、少なくとも「塩で清める」のが礼儀となります。
節分にはイワシを食べる?
「弱い」とか「いやしい」とか「臭い」とか、ちょっと気の毒な言われようのイワシですが、そんな「陰」の「気」は食べて消してしまえということで、地方によっては(関西地方)節分にイワシを食べる風習があります。
そう言えば、「恵方巻き」も関西から全国区になったんでしたね。もっとも「恵方巻き」という言葉は、最近になって使われるようになったのですが。
節分にイワシを食べることを広めても、儲かるお店とか会社がなかったんでしょうね。コンビニにイワシの塩焼きがあっても、あまりインパクトはないかもしれません。というわけで、イワシを食べる習慣は、いまだに関西地区だけのようです。
ヒイラギと一緒にイワシの頭を門口に挿す習慣は全国各地にあるので、結局は節分前後はイワシを食べる人は多いと思います。飾るのは頭だけですからね。
ちなみにイワシは、DHAやEPAがたっぷりの優良食品です。
イワシの食べ方には特に決まりはないようで、生の鰯を塩焼きにしたり、一夜干し(丸干し)をそのまま焼いて食べるという具合に、比較的シンプルなようです。
食べる時にいろいろ気を使わなければならないのは、「恵方巻き」だけですね。
まとめ
最近は「柊鰯」が門口にあるのを目にすることも、少なくなってきたように思います。
1000年以上も続いてきた日本独特の風習、これからも引き継いでいきたいですね。
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