寒くなってくると、クリスマスが来るのが待ち遠しくなってきます。
町を彩るイルミネーションも気分を盛り上げてくれますが、クリスマスと言ったらやっぱりクリスマスツリーですね。
そういえば、どうしてクリスマスにはツリーを飾るんでしょう?
クリスマスツリーはなぜ飾るようになったの?
クリスマスにツリーを飾るのは、もともとキリスト教とは全く関係ないところで始まったんです。クリスマスは冬至のお祭りの影響が強いことが多いのですが、このクリスマスツリーもそのようですね。
古代ゲルマン民族が北欧で冬至のお祭りに使っていた樫の木が、その原型だということです。モミの木に変わったのは、モミの木の形が三角形でキリスト教の教義の「三位一体」を表しているということ、てっぺんが天国を指しているということからです。
一方、クリスマスツリーは「知恵の樹」の象徴でもあると言われています。「知恵の樹」とは、あのアダムとイブが食べた「禁断の果実」のなっていた木です。
クリスマスツリーの一番古い記録は、ドイツのフライブルグで1419年に飾られたものです。1600年代にはドイツ各地で記録が残っていますが、イギリスに伝わったのは1800年代と案外遅いんです。
クリスマスツリーは何の木?伝統的な飾りは?
クリスマスツリーには、土地によって使われる種類は多少違いますが、常緑の針葉樹のモミの木やトウヒが使われます。「も~みのき~、も~みのき~」ですね。
「禁断の実」のなる「知恵の樹」であるリンゴは、冬には葉が落ちてしまうので、その代用としてモミの木が使われたという説もあるようです。
クリスマスツリーには、その「禁断の実」のリンゴが飾りとしてよく使われます。色も赤いですから、飾りとしても映えますね。
このリンゴに代表されるように、ツリーはもともとナッツなどの食べ物で飾られていました。それが18世紀になってロウソクが使われるようになり、電気の発達とともに電飾なども増え、どんどんバリエーションが増えて行きました。
今では電飾全盛ですが(電飾にも流行りがあり、カラフルなものから単色へ移行し、今はまたカラフルなものが増えているそう)、ヨーロッパでは今でも本物のロウソクを飾る人が多いです。
「ラメッタ(Lametta)」という、銀色の薄いシートを細く切ったもの。これを木の枝にたくさんかけるととてもきれいなのですが、つららを表しています(私がクリスマスツリーの飾りとしては、一番気に入っているものです)。
ガラスのボールなどは、リンゴの代わりに飾られるようになったものです。
ツリーのてっぺんにはよく星が飾ってありますが、あれは「ベツレヘムの星」(キリストの誕生を知らせて「東方の三賢者」をベツレヘムに導いた星)です。
当然ながら、飾りには国、地方によってもいろいろなバリエーションがあります。
クリスマスツリーが日本に伝わったのはいつごろ?
クリスマスが伝わったのはキリスト教が日本に入って来た時ということになりますが、一般的に知られるようになったのは明治時代です。
1900年に「明治屋」が銀座に進出して、クリスマス商戦が始まった。。。。。そんな以前から、クリスマス商戦なんてあったんですね。そして、海外の風習やお祭りが日本でブームになるのは、いつの時代もやっぱり商売が絡んでいるんですね。
そして1928年の新聞に「クリスマスは今や日本の年中行事になった」という記事があるのです。ちょっとびっくりです。
そして肝心のクリスマスツリーですが、1860年にプロイセン王国の公館に飾られたのが最初です。
1886年(明治19年)の12月7日に、横浜で外国人船員のために日本初のクリスマスツリーが飾られたので、12月7日は「クリスマスツリーの日」だということで、一般にお目見えしたのがこの年になるようです。
まとめ
日本で「クリスマス」はロマンチックな日、ロマンチックなお祭り、の要素が強いでしょうか。
クリスマスツリーの星の意味などがわかると、ただの「飾り」として見ていたツリーも、ちょっと違って見えますね。
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